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zoom RSS 「日経社説を読む」日記 #32

<<   作成日時 : 2009/10/03 05:45   >>

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日本経済新聞・社説(09/10/01)
 ■「還暦」迎えた中国は生まれ変われるか
 ■参院定数は枠組みから正せ


NIKKEI NET【公式HP(TOP)】http://www.nikkei.co.jp/

社説1)『「還暦」迎えた中国は生まれ変われるか』について:

  *社説の説くところ
   中華人民共和国は1日、建国60周年を迎えた。
   世界経済危機にもかかわらず今年の実質成長率は8%に達する見通しで、名目の国内総生産(GDP)が世界2位になる日も近い。
   外貨準備高においても世界最大であり、今年で貿易額でも世界一になる見通しだ。
   他面、国防費が21年連続で2ケタ増という急速な軍拡は周辺諸国の懸念を招き、加えて「圧政国家」への支援(対北朝鮮・ミャンマー・スーダン等)は国際的な非難を浴びる
   経済、軍事両面で世界に大きな影響を及ぼす大国としての責任が問われる。
   今後は持続的成長へ発展の為「質」が問われ、そのためには共産党政権の指導部が強調する通り、発展の前提は「安定」が求められる。
   しかしながら、法の支配が貫徹せず、言論自由がないなかで、中国の人権問題そのものも非難を浴びている。
   国内では格差拡大・環境破壊・失業率上昇等の矛盾が噴出しており、加えて、チベット問題・新疆ウイグル問題を抱え、
   各地でデモや騒乱・暴動が起っている現状のもとでは、「安定」のために幅広い国民の声を吸収し政策に反映していかなければならない。
   一党独裁放棄や司法の独立を求めた政治文書「憲章08」発表は、昨年共産党政権に黙殺されたが、政治改革は時代の要請だろう。
   加えて、今や温暖化ガス排出量で世界最大の排出国として、ポスト京都議定書に向けた責任を引き受けなければならない立場にある。
   今後、経済面での国際貢献にとどまらず、自由と民主主義を支え、人権を守る大国へと生まれ変わることを国際社会も期待している。*


確かに、中国が『自由と民主主義を支え、人権を守る大国へと生まれ変わる』のであれば理想的ではある。
しかしながら
建国60周年というも中華人民大革命以降の「中国」の建国が60周年に該たる、という意味であって、
歴史通貫的に見れば、
国内的には「王朝」が変われど社会の構造が変わらない「停滞国家」であること歴史の示す通りであって、
そもそも中華思想に立脚し、覇権国家志向そのものであったのが中国であり、
「貴族」政としての中国共産党支配がなお中国の現「王朝」であるとみることが、充分に可能であるばかりか、むしろ自然であり、
ならば、かの中華の国体は一貫した歴史の延長線上に位置づけ得る、「普遍の中華」として「必然の現実」と捉える認識にわたしは立つ。

その私見を前提とする限り
「自由と民主主義」を唱え「人権を守る」というも、現「王朝」が維持しうる限りにおいてしか「体制内的には」為し得ない帰結となる。
仮に真に『自由と民主主義を支え、人権を守る大国』なるものの誕生を現実に為すならば、それは現「王朝」の滅亡をもってしても達しえず、
むしろ、「中華」という歴史通貫的意義での「国家」の滅亡を意味することとなる。

然るに、それでもなお、
現実の国際経済が中国との折衝抜きにしては不可避である事情
中国においても国際協調を必要とする事情とを真摯に受け止めるならば、
外交問題及び通商問題において、中国から見た「外国」・「外国人」・「外国企業」との関係においては
国際法及び国際慣行の遵守を要求する必要
中国側にもあり、また国際協調を為しうる妥協点であろう、とわたしは考える。

無論、中国による世界統一がなった暁には「国際問題」は存せず、中国を滅亡させるその気があるのであれば別論として、
その度量も実力も我が国にはなく、そのために支払う犠牲を望むところとする覚悟もなかろう。
しからば、
いかに中国が経済大国・軍事大国となろうとも中国本体は変わらないという前提に立ち、
国際協調という範囲での均衡点に於いて、「外国」・「外国人」・「外国企業」としての我が国の国益及び国家国民の安全保障を確保する、
という選択が現実的であろう、わたしは考える。
そもそも、国家の責務を「生命の安全保障」と「生活の安全保障」とする社会契約論に立脚する限り、
中国の軍事大国化が脅威だというならば、
対抗しうる軍事力の保持を我が国が確保する、そのための国軍の再編強化を「安全保障政策」として一顧だにせずというのは如何なものか、
とすら思われる。
そもそも必要ならば憲法改正を為してでも軍事バランスのイニシアチブを掌握する、その度量がないのならば、
最低限の外交戦線の維持と通商上の防衛確保を図るの他ないではないか。

我が国に限らず、周辺諸国においても、
中国が『自由と民主主義を支え、人権を守る大国へと生まれ変わる』
その相手頼みのしかも見込み薄な理念を掲げて夢物語を語るより先に優先度の高い対中国政策は、
当然あるはず
で、よほど現実的な国家戦略と捉えるが如何?。

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社説2)『参院定数は枠組みから正せ』について:

  *社説の説くところ
   (30日の)最高裁判決により、先の参院選('07・7月)における1票の格差が最大4.86倍であった事案に対して、
   法の下の平等を定めた憲法に違反しない、という判断が大法廷判決によってなされた。
   しかしながら、より強い調子で定数配分の抜本的解決を求め、
   例えば、各都道府県を選挙区とし、複数の定数を割り振るする現行の枠組みについては、1票の格差是正のためには、
   「見直しが必要となることは否定できない」と断言し、「国会において速やかに、検討が行われることが望まれる」と結び
   15裁判官中10人が法廷意見に賛同した。
   もはや衆院との独自性を参院が盾にして、1票の価値の格差を放置することは許されない。
   民主党はマニュフェストで掲げた「参院選挙制度の抜本改革」を実行しなければならない。*


「第二院が何の役に立とうか,もしそれが下院と一致するときは無用であり,もし下院に反対するならばそれは有害である」(byシェイエス)

社説の立場が 両院制の存在理由とその存否 につき如何なる立場にたつものかは不詳ではある。
しかしながら、
当該判決反対意見の基礎とする部分を援用して、社説が同調するところの、
『「憲法は二院制と3年ごとの半数改選を定めているにすぎず」』
『都道府県単位の選挙区割りと、選挙区ごとに偶数の定数を配分する方式は、どちらも憲法を根拠にしてはいない。
 だから、憲法が要請する1票の価値の平等を図る妨げになるならば、正さなければならない枠組みなのである』
とまで断ずるのは強弁に過ぎるきらいが見受けられる。

確かに、参院における政党化現象が現に存し、さらに参院においても党議拘束がかけられるという現状を追認限りは、
本来の「良識の府」たる使命を全うしがたいとはいえるが、
そのことは選挙区割りを直接の要因とするものではなく、参院における党議拘束を認める政党運営の結果に問題の本質がある
本来の参院の使命は、政権選択の府である衆院の判断に中長期的視座から再考を促す「民意の暴走」への抑止効にあるはず

解散制度があり、かつまた予算(及び条約)において衆院の優越を認めている現行憲法下に於いては、
衆院に於いて「民意に過敏すぎる短視眼的な判断」をなしがちな危険が常に伴い、その衆院の判断に中長期的な視座から否決という形式をもって、
再考を促す
それが参院の「良識の府」としての使命であり、

その再考の機会に於いて衆院が「短視眼的な判断」に気づき翻意をするならば、
その結果をもって議会の意思(それは国民の意思と看做される)とするのであり、
再考の機会を経てなお2/3の多数を形成(法律案に於ける衆院の優越たる「いわゆる2/3条項」)するのであれば、
それを「議会の意思」(看做された国民の意思)と診るをやむなし
とする制度設計ではなかったか。
その意味で、まず「参院の独自性」に価値がないかのように語るのは疑問なしとしない。
それを論ずるならば、両院制の意義をどのように考えているのかを語る必要があろう

加えるに、
そもそも偶数でなければ、1/2では割り切れないのであるから、
当該選挙区選出議員が審判を経ない参院選なるものを認めることになるが、
それが参院的意義における民意の反映たりうるのか甚だ疑問である。
そもそも両院制を採用して、参院については任期を6年とする3年毎の半数改選をする以上は、
選挙区選挙においては、その定数を偶数配分としなければ、3年毎の半数改選とならない

つまり、仮に定数1の選挙区と定数4の選挙区とでは、定数1側の選挙区が非改選で定数4側の選挙区の半数2が改選議席となるが、
その選挙において反映される参院的民意とは何であるか、
そしてその結果を受けて構成される議院の総意とは何であるのかを
論じる必要がある。

勿論、中長期的視座からの監督者という立場からするならば、必ずしも参院の「総意」なるものに、3年毎の民意の反映が必要な訳ではない。
だが、しかし先の例で云うならば、定数1側選挙区が改選回に該当する間の国家の急務の際に、当該選挙区を代表する「監督者」が不在となる事態が生じるが、
それをもって当該選挙区有権者の「監督」のもとに衆院の「短視眼的な判断」に抑止効が働いたとは云えないではないか。

同様のことは議員辞職等で欠員が生じた場合にも起りうる現象ではあるが、それを確率論的に云うならば複数定員制を廃した場合の比ではない


そもそも参院地方区を選挙区制として採用する限り、1票の価値の格差が生じることは避けられず
当該選挙区の「地方」という観点からの衆院の「短視眼的な判断」に抑止効が不要である、との論拠はない。
そして、1票の価値の格差是正の為に地方区を広域化するならば、「監督」者を選任する「地方」の共同体意識のないまま、
有権者団の合意の形成ではなく単なる数の優劣をもって、「監督」者が選任される結果となるが、
その「監督」者たるの実質が果たして伴うのか

これに対して、参院地方区を全て廃止し比例選出のみとするならば、小党分裂を招く結果となりやすいこと現行法性下の比ではなく、
結果として、社説の掲げる「ねじれ国会」の解消若しくは不合理な連立政権の誕生阻止なぞははるかに遠くなる。

思うに
参院制度を改革しなおかつ、「地方」という観点からの衆院の「短視眼的な判断」に抑止効を機能させるためには、
併行して道州制の議論を進める必要があり、ひいては道州議会の設置に基づきその議会の選任による「地方」選出議員を以って、
参院地方区に代置する程度に改革する必要がある。

但し、そのままでは有権者団との関係に於いて「間接選挙」となり参政権の直接性に反する結果となるから、
道州議会の選任した参院議員候補に対する信任不信任を参院選に於いて問う制度的担保が必要となる。

 【参考】:「レイプハルトの確信」(アーレンド・レイプハルト:米国学者)
     「民主主義」の意思決定過程を、多数決型合意形成型(コンセンサス型)に類型化したうえで、
     二大政党制を多数決型民主主義に、多党制を合意形成型民主主義モデル論として位置づけた、
     レイプハルトの学説。
     レイプハルトによれば、多くの場合、「合意形成型民主主義が優れている」とされる。
       補注)しばしば「デュヴェルジェの法則」と対比される。


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なお
本稿シリーズにおける基本姿勢と方針については
「日経社説を読む」日記 #0・稿
ご参照 願います。
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社説1)【関連記事】:10月1日付・読売社説:
この点では、日記社説よりも読売さんの
『中国建国60年 膨張主義からの脱却が必要だ』
の方が、直截的で分かりやすい。
尤も、「分かりやすく」する過程で主観的判断を込みにせざるを得ないのだが、
論理の構造的に。
ペンギン座@ブログ主【メモ】
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2009/10/04 12:19

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