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zoom RSS 「日経社説を読む」日記 #31

<<   作成日時 : 2009/10/02 03:21   >>

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日本経済新聞・社説(09/09/30)
 ■混合診療の解禁へ政治主導で法改正を
 ■首相続投に成長託すドイツ


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社説1)『混合診療の解禁へ政治主導で法改正を』について:

  *社説の説くところ
   29日の東京高裁判決は原則として混合診療を認めない国の見解を追認した(同3面記事より)。
   高裁判決は混合診療の利点や問題点に言及せず、厚労省が明文規定のないまま法解釈で原則禁止している現状を追認した、いわば裁量行政の追認である。
   一審の東京地裁は、健康保険法に混合診療を禁ずる規定はなく、自由診療を併用したときに保険診療分も全額、患者の自己負担にする厚労省の反応は意見と断じ、
   高裁判決では腎臓がんを患っている原告側の逆転敗訴という結果となった。
   訴訟は最高裁に持ち込まれると見られるが、裁判とは別に、
   混合診療に立法的な解決として、混合診療を原則として認める方向で、国会で健保法改正をなすべきである。
   患者本位の立場から早急に議論を始めてほしい。*


   「混合診療」の意義同1面より引用):
  『患者に公的医療保険が適用される保険診療と、適用されない保険外診療(自由診療)を併用すること。
   国は安全性が確保されない治療が広がる危険性や所得による医療格差の拡大を理由に原則禁止としている。
   このため適用外の治療や投薬を受ければ、保険診療の範囲内である入院や検査なども全額自己負担となる。』


確かに形式論理としては、
混合診療を認める明文規定のない以上は、保険適用に基づく給付をなす義務はなく、また治療行為自体が保険適用の範囲の内外を問わずに「一体的に」行われるものである以上は、
当該治療行為に関しては「一体的に」判断さるべく、
その意味で「一体的に」みれば保険適用対象の治療行為ではない、ということになるから、
これに係る給付をなすべき義務を負わない、という結論には至る

その意味で、混合診療が認められていない現実に対しては立法的解決を図るのが筋であり、国会で健康保険法改正をなすべきこと、論旨の論ずる通りである。
また、司法的解決現実に迅速性を欠き「救済」として対応できないという事情もあり、
かつまた「遡及的に救済の必要」の合理性がある事案が想定されることから、
この場合には立法的解決が不可欠となる。

その際には、給付に伴う健保団体原資の負担に比し、なお混合診療を認める必要性及び合理性が上回るという論拠を明らかにする必要がある。
この点で、単に「患者本位の立場」という理念を掲げるのみであるならば「混合診療を認める必要性及び合理性が上回る」旨の判断に説得力を欠くことになる。
そこで、「混合診療を認める必要性及び合理性が上回る」論拠を考えるに、同紙の別記事の掲げる事情が参考になろう。

まず、
『混合診療となるのを避けるため、保険対象と保険外の診療をそれぞれ別の病院で受けている患者もいる』(同3面)
との事情については、

別の病院で診療を受けるのが治療行為として自然であれば兎も角、現実に区分して治療行為を受けることが出来ない患者が存し、
また区分されることが治療行為として非合理である場合には、
一体的に診療・治療を受けることが出来るように保険適用上もなお「可分的」と看做し、適用可能な範囲に於いては給付の対象とすべきである。
その反面、『安全性が確保されない治療が広がる危険性や所得による医療格差の拡大』というのがどの程度に現実的な危険かと云えば、むしろ説得力を欠く、と思われる。
つまり、立法事実を欠く疑いが存する

社説、『一般化していない高度な先進治療や新薬などについては、自由診療で治療を受ける道を広げる』と掲げるが、逆に、
「高度な先進治療や新薬といえども治療行為として極めて特殊例外的なものとまではいえない」場合で、かつ、一体的な診療・治療として全てを保険適用の対象とすることが出来ない場合には、
保険適用の関係においてはなお「可分的」と看做して、本来的に保険対象となる診療・治療部分については保険適用の対象としていくのが相当であろう。

この点、『背景に治療法承認の遅れ』(同紙3面)が問題であるならば、保険適用の対象か否かを論ずるにあたっては本末転倒な議論である。
『健康保険の適用対象』たる『「療養の給付」』の『具体的な内容については、厚生労働省の省令で「厚生労働相が定めるもののほかは行ってはならない」と規定』という制度設計が、
厚生労働省が把握している診療・治療が現実の診療・治療の現場の実情を真に反映しているのか、その制度的な担保がどこに存するのかがまさに問題となる
であるならば
現実の診療・治療の現場の実情を真に反映すべき「機構上の仕組みづくり」をなす、そのための立法的措置がまさに必要となる

当該判決の対象たる「腎臓がんを患っている原告」に対する診療・治療が、個別事案の範囲を越えてなお、
「高度な先進治療や新薬といえども治療行為として極めて特殊例外的なものとはいえない」程度に現実の診療・治療の現場の実情となっていなかったか、
その現実の診療・治療の現場の実情を反映すべき「機構上の仕組み」の存否そのものが真に問題といえよう。
つまり、
現行法制上の治療法承認の仕組み自体が現実に機能しているのか、が疑われ
その意味で、現実の診療・治療の現場の実情を反映すべき「機構上の仕組み」を構築すべきである、と考える。

加えるに、『部分的に混合診療が認められている治療法』として『「保険外併用療養制度」における先進医療技術は計112種類(9月1日現在)』(同3面)
という現状では、むしろ
現実の診療・治療の現場の実情を反映すべき「機構上の仕組み」が存しない、
と疑ってしかるべき事象ではないか、と思われる。

なお、社説は改正対象として健保法のみを掲げるが、
準用規定として健保法がひな型として反映されるのであれば兎も角、
国民健康保険その他の適用保険法上健保法と区別する理由がなければ、改正対象となすべきこと云うまでもない。

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社説2)『首相続投に成長託すドイツ』について:

  *社説の説くところ
   ドイツ連邦議会下院選において保守のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)の勝利により、
   4年間続いた社会民主党(SPD)との大連立を解消し、自由民主党(FDP)との連立政権を組む運び。
   CDU・CSUとFDPの連立による保守中道政権は11年ぶりとなる。*


第2次大戦後のドイツは東西分裂期・東西統一期を通じ、連立の歴史を刻む。
詳細は同紙28日版7面に詳しいが、戦後解放の'49以降ことごとく連立政権である。

これには勿論、選挙区制の影響、つまり、
比例代表制を主軸としこれに小選挙区制の要素を加えた「小選挙区比例代表併用制」を採用している事情がある。
加えて、連邦制及び大統領制と首相制の併用という事情もある。
しかしながら、
「連立の歴史」として主軸たる比較第1党の選択及び「連立のあり方」自体が審判の対象となる、
その事象に学ぶべき点は多々存する。

ちなみに、
CSUはバイエルン州のみを地盤とするLocalPartyとして長くCDUのパートナーとしてCDU・CSUの統一会派を形成し、
SPDゴーデスブルグ綱領採択('59)以降の国民政党化の経緯を経ており、
そしてまた「緑の党」は環境問題を党是とする単一争点型政党という背景にある。
CDU・CSUとSPDの左右二大勢力の大連立は'66-'69以降旧政権で2回目となる。

メルケン首相率いるCDU・CSUは旧政権での実績を評価され、
他方、大連立のパートナーだったSPDは本来的に中道色の強い保守系CDU・CSUに
『大連立の成果を(中略)奪われた形となり存在感が低下』する一方、
次期連立政権のパートナーたるFDPは、元来CDU・CSUとの政策的な親和性の高さがあり、
今選挙結果を受けて「大連立」の解消と保守・中道系連立の再現という流れにある。

大連立下のメルケン首相時代に、『付加価値税率を3%引き上げ』、年金支給開始年齢を引き上げる一方で、
法人税実効税率の9%引き下げによる実体経済強化を主眼とした政策への有権者の高評価と、
今後の保守・中道系連立という政権下での政策継続を託した結果となった。

勿論、国情の違いもあればタイミングの問題もあるのだが、
かかる実体経済強化の成果のうえに今後の規制緩和・経済活性化を加味した新連立政権下での成長路線の継続選択に、
我が国の政策運営上学ぶところも多い

国際問題及び外交上の我が国との関係においては、
EUの中核国としてのドイツの政策継続は「強いEU」に資するところであり、
EU自体が必ずしも我が国の「味方」たりえずとも、
少なくとも「強いEU」の存在が米中2大国の突出に対する抑止力として機能することに期待するところである。

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なお
本稿シリーズにおける基本姿勢と方針については
「日経社説を読む」日記 #0・稿
ご参照 願います。
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