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zoom RSS 「日経社説を読む」日記 #9

<<   作成日時 : 2009/09/10 01:05   >>

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日本経済新聞・社説(09/09/08)
 ■ダムのムダ 理由を明確にして見直しを
 ■国家戦略局を生かす態勢に


社説1)「ダムのムダ 理由を明確にして見直しを」について:

社説の説くところ、
 民主党は政権公約として掲げた「大型公共事業の全面的な見直し」の一環として、
 ダム建設事業のうち、川辺川ダム(熊本県)とは八ッ場ダム(群馬県)を見直し対象として挙げる、
 その際具体的な吟味と手続の策定を経たうえで「見直しを進める」べし、
 と論ずる*


思うに、そもそも、
「大型公共事業の全面的な見直し」が
新たに政権与党となる民主党の生活安全保障政策の財源確保のために
やりだまに挙げられたのであれば、何をかいわんやというところではあるが、
新に必要な「大型公共事業」投資であるのかを
具体的に吟味する必要がある。

「ムダ」かそうでないかがを単純に論ぜられるならば、ただの水掛け論に終始することになり、
逆に、「ムダ」と決め付けて計画中止を強行するならば、自民党以上に党利党略的なゴリ押しに堕する。

ここにおいて必要なのは、
〔大前提〕「ムダなのか、そうでないのか」を判断する要素として、
〔小前提〕個別の判断基準を定立し、その個別の判断要素を総合的に判断して
なお事業の継続が必要なのか・事業を中止すべきなのか、の
目に見える形での判断プロセスの形成ということになるのが筋である。

論旨の説くように、
川辺川ダムが洪水抑止機能という治水対策「のみ」を目的とするのであれば、
他の選び得る治水対策代替案とその際の弊害を勘案すれば、「不必要な」ものとの結論に至ることは容易であろう。
他方、八ッ場ダムのケースは
給水確保機能が設立目的として掲げられた事業である関係で、
事業継続の必要性判断は、生活用水の確保と工業用水の供給が八ッ場ダムなしになし得るのかを検証する必要があり、
また仮に水源供給に「代替案」があるとしても、通常代替措置への転換・移行に際してはタイムラグが生じてしまうことのが当然に予測されるのであって、
その意味で、事業継続の必要性判断は慎重に為されなければならない、(裏返しに「早急に無駄と断ずることは出来ない」ことになる)はずである。

確かに、大型公共事業計画の遂行の際には、
計画策定→事業開始→完成した施設・設備の稼動のプロセスに長期間の時間の経過を要し、
その間の「事情の変更」も加味して考えなければならない。
しかしながら、
「生活用水の確保と工業用水の供給」というニーズと効用は、現時点でなお計測可能な要素である。
その意味に於いて、受益者たる1都5県が今なおダム建設の推進と早期完成を要望している事実は決して軽視さるべきものではない。
現実に八ッ場ダムが完成することにより提供される利益を改めて確認したうえで、その試算に合理性があるのであれば、
事業継続の必要性判断において、むしろ「不要」とする側が立証の責任を追う、と云わざるを得まい。

その際に、従前までの都県が負担した既払い費用の返還や代替地選定問題と云うことは、第2段階の問題であって
むしろ、直裁的に「事業継続の必要性無し」=八ッ場ダム完成の効用無しと 「中止を主張する側が」説得力ある論拠を示すべきことになる。

以上を要するに、
単に「ムダだから中止せよ」なぞというお粗末な論議ではなく、
「事業継続の必要性判断」の基準と判断要素を定立したうえで判断するという至極当然のプロセスを踏襲して頂きたい、と。
さもなくば、単なる人気取りの政策若しくは党中央の「公約」実現の為に犠牲にされていく、ものとして、
責任政党としての適格を今度は民主党が失う結果となろう。

その意味に於いて、
社説の論ずる「理由を明確にして」なる主張を上記の趣旨で捉えるならば、その主張には同意できる、と考える。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

社説2)「国家戦略局を生かす態勢に」について:

社説の説くところ、
 民主党の新政権構想を担う陣容が漸次明らかにされつつあるが、
 その中核機関とされる「国家戦略局」自体の整備はもとより、関連機関との権限分配を適宜調整に尽力しつつ、
 「政治家が責任を持ち」行政の改革に挙党で取り組むことを要望する、
 と論ずる*


というお話であるのだが…、
そもそも「政策決定の一元化」を機軸に政治による官僚統制を志向するはずの
民主党の政府・与党関係のイメージが、連立政権下での変容という事情も相まって至極理解しがたい。
いわゆる「権力の二重構造」論については、
「政務は内閣に・党務は与党執行部に」と分配で一応の解決は出来る。
むしろ政権担当政党が政務と党務の役割分担は、党代表が総理となる関係上むしろ党務については別途責任者を置く必要が現実にあって、
その意味で問題なのは、「二重構造」云々そのものではなく、党執行部の一部実力者が実権を握る院政への懸念である。

また参議院で過半数確保し円滑な政権運営という観点からの連立政権樹立は理解できるが、
連立相手に「政策的一致」がある顔ぶれにみえず、
「閣僚委員会」「政策責任者協議機関」設置なるものも、却って「政策決定の一元化」の理念から遠ざかるもの、
と見えても致し方ないと思われる。
その意味に於いて、「権力の二重構造」論批判よりも説得力ある説明は困難である。
連立政権樹立が当座の課題と認めることは出来ても、党首級を是が非でも入閣させる必然性も無い。
別段、必ずしも閣内協力に固執する必要は無く、閣外協力であっても構わないはずで
また「連立与党」として発言力あるもの=連立参加する少党のごり押しがまかり通るならば、
そもそも何のための選挙だったのかと、むしろその弊害は「院政への懸念」どころではない。

(それ以前に政策協定が締結できることが甚だうさんくさい。
 選挙協力であれば単なる「自民党打倒」を叫べば協力は出来る。
 が、政権を担当するうえで、調整可能な程度に政策の一致をみる難易度は、選挙協力の比ではない)

また「国家戦略局」と「行政刷新会議」の権限分配にもモデル論と実践論との乖離の配慮は必要であろう。
行政の組織及び予算配分のムダなるものが、「国家戦略局」の基本方針策定に照らして判別される運用を想定するのであろうが、
逆に、実務的な運用の観点からは、
「行政刷新会議」に基づき、「行政の組織及び予算配分のムダなるもの」をあぶり出した結果を受けて
「国家戦略局」において国家経営の基本方針が打ち出されることも充分に想定しておかねばならない。

その意味に於いて、
「国家戦略局」と「行政刷新会議」の権限分配 及び 「連立与党」としての調整機関 各個の関係は
円滑な制度運用が確立するまでは、総理裁定若しくは党務責任者裁定というプロセスが避けられないのが現状であろう、と考える。

しかしながら、
新政権発足が現実のものとなった段階では
「やらせてみなければ分からない」「やってから考える」というのもまた甘受せざるを得ないところ。

加えるに、
総選挙後の自民党の混乱・再生への対応の遅さは、
「ここまで駄目駄目なのか」と落胆を深めさせるに充分で、
党・両院議員総会後の丸山和也・参院議員発言
『自民党の歴史的使命は終わった。解党すればいい』(同紙・9日版)
なるものは、
悲しいかな党の現状認識の甘さを物語る、痛烈な批判なのだが、
いい加減に「苦い薬」を以って「良薬」と為すべく、事態の深刻さを受け止めて頂きたいものではある。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
本文中(敬称略)にて。 なお

本稿シリーズにおける基本姿勢と方針については

「日経社説を読む」日記 #0・稿
ご参照 願います。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
群馬県知事 「地元住民や関係市町村、1都5県の意見を聞くことなく建設中止したことは言語道断で極めて遺憾。」
茨城県知事 「中止の判断に至った理由、代替案などについて何らの説明もないことは極めて遺憾。」
埼玉県知事 「民主党の公約そのものがルールを無視したもの。」
千葉県知事 「私も視察に行ったが、あの状況で止めるのは大変。地元の人達の国への信頼もなくなり、協力への躊躇が出るのではないか。」
東京都知事 「基本的に建設反対に反対。7割もできているプロジェクトをやめる意味は、理解できない。」
立地予定の群馬県を除く周辺の1都4県の知事は、中止の際には支出済みの負担金約1500億円の返還を求めることで一致した。前原国土交通相は返還すると語った。
治水の必要性は、河川の流域に住んでおらず、浸水被害を経験したことのない鳩山由紀夫には実感はないはず。
後始末をどうするのか、例えば、既にできている高さ約100mの巨大な複数の橋脚は、撤去するのか放置するのか民主党は具体策を示さなければならない。
在日民主党
URL
2009/09/21 07:31
本記事書いてtbの方が適切かと、コメント欄より。

補完関係にある記事ですよね。
ぶっちゃけ「民主党さん、ソレはおかしいでしょ」っていう論旨に
「おかしい」って声が現に挙がってます、ってお話ですので。

まあ頂いたコメントはコメントとして、記事として有益なので掲示しますが。
ソースの提示も要ります。
その意味で 冒頭に至る。
ペンギン座@ブログ主
URL
2009/09/21 12:36

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