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zoom RSS 「日経社説を読む」日記 #8

<<   作成日時 : 2009/09/09 02:31   >>

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日本経済新聞・社説(09/09/07)
 ■景気刺激の協調を緩めるのはまだ早い
 ■リビアの変化を見逃すな

社説1)「景気刺激の協調を緩めるのはまだ早い」について

*社説の説くところ
 G20金融サミット共同声明
 「世界経済は改善しているが、成長と雇用の見通しについては引き続き慎重である」
 を受け、
 世界同時不況の「最悪期を脱した」との現状認識につき、同意しつつ
 なお慎重に現状回復施策を継続的に進めるべし、との見解に立ち
 他方、金融危機の再発防止策について
 日本の事情に鑑みて、日本の積極的な関与が求められる
 と論ずる*


確かに、リーマンショックに端を発する金融危機については、
「最悪期を脱した」との現状認識を共有しているとは云える。
但し、最悪の事態という危険水域を脱したに過ぎず、未だ本格的な回復基調に移行しているわけではない、というのが実態であろう。
いみじくも、
共同声明が「成長と雇用の見通しについては慎重」と評しているのがその証左であり、
元来、「成長と雇用の見通しについては慎重」でしかないのであれば、「世界経済は改善している」なぞと評し得ない筋合のものなのだから。
経済成長(ここでは国内総生産力)と雇用情勢の改善に見通しが立たなければ、原理的に実体経済は回復なぞしない。
ゆえに、性急な「出口戦略」への移行は「最悪期」に逆行しないためにも慎重にならざるを得ない。

論旨の指摘するところを敷衍するならば、
一過的な景気刺激策という火急の対処療法が奏効している状態であって、本来的な健常体に戻ったわけではない、ということ。
そして、
本来的な健常体に戻るためには、生産力の向上と雇用情勢の改善が不可避であるということ。
その論旨については至極もっともなものと同意する。

但し、その解決策には
構造的に利害関係国の体質改善を図る必要があることは認めざるを得ず、相当に困難な問題として立ちはだかることも確かであって、その前提に立脚する必要がある。
即ち、
そもそも生産拠点での産物が最有力な最終消費地である米国に向う一極集中構造を改めて、
生産拠点国の内需拡大と消費拡大を為しうるよう、「協調成長」と呼ぶべき共存共栄路線を進めることは、
現実には至極困難な問題であって、
それゆえに、
「景気刺激の協調」というも政策に優先順位を付し、個別に改善策を積み上げるという現実に実現可能な施策を併用せざるを得なくなる、と考える。
その観点からすれば、例えばIMF議決権比率といった問題も同時的包括的解決なぞ図ろうとせず、司司に委ねるという転換も必要なのではないか、と思われる。

次に、社説が問題とする「金融危機の再発防止策」における日本の関与という問題について。
例えば、社説が代表的な課題とする『銀行の自己資本比率を質と量の両面で強化する方針』であるが、
その内容は
「国際取引業務を為す銀行の自己資本比率を現行の8%から12%に引き上げ、なおかつその資本構成を普通株を主軸とした良質のものとする」
という新基準であり、既に財務当局協議で進められていたものである。
これは単純に「国際水準」に比し、邦銀の財務体質が脆弱に過ぎるという第一次的には国内問題であろう、と考える。
確かに、その脆弱さゆえに「日本発の世界同時不況」という事態に陥る危険の現に存する限り、国際問題化し得る。
がしかし、まず国内問題として何が為し得るかを精査したそのうえでなければ協議にならないのではないのか、と考える。
そのうえで「導入時期」を争点として協議に臨むというのあれば、それで初めて『戦略的にかかわる』営みとして評し得るもの、と考える。

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社説2)「リビアの変化を見逃すな」について

*社説の説くところ、
 かつてテロ支援国家として経済制裁を受けたリビアに対し、
 国際社会は積極的な関係改善に向けて動いている情勢の中
 日本は大きく立ち遅れている、
 その認識を前提に今後の対応に動くべきである*


'88英スコットランドでの航空機爆破事件を契機に国連安保理決議に基づき経済制裁の対象となったリビアは、
英米との'03核を含む大量破壊兵器の開発放棄合意以降、英米との国交正常化を初め主要国との関係改善を進めており、
その中で、日本の関与はリビア金融の改善と石油・ガス事業への企業参入が開始されたに過ぎない由。

国際社会は、北朝鮮問題とイラク問題を抱える一方、
「アメとムチ」「北風と太陽」の外交戦略使い分けの一方で、
現在でもリビアが抱える問題はそれはそれとして、
各個に自国の国益確保の観点から急速な関係改善を進めるもの、と評し得る。

リビアが抱える問題というも、詰まるところ、
「西欧型民主主義」形態が全世界的に普遍的にあてはまるかのような幻想に固執しなければ、
あとは専らカントリーリスクの問題に過ぎない、ように思える。

例えば、EUが、
天然ガス供給をロシアに依存し、そのロシアが資源帝国主義政策を進める以上は、
脱ロシア化を図るのは当然の行動であって、
その権益確保の為にリビアとの急速な関係改善を進めることもまた当然の行動であろう。

確かに、
直接民主制を採用しつつ、革命指導者カダフィ大佐が実権を握るという政体は、
「西欧型民主主義」に照らす限り、奇異なものとなるが、
途上国に於いては少なからず存するケースであろう。
また、イスラム教と民族主義に立脚するのは中東諸国においてはむしろ通例であって異端視する格別の理由ではないと思える。
かかる問題点は、先に述べたカントリーリスクの問題に還元しうるのであって、
産油国とのチャンネルをより多く確保していくことの方が日本のエネルギー政策としてはリスクヘッジではないのかと。

その意味に於いて、
経済制裁の理由が解消された現段階では、我が国は我が国の国益に照らし、対リビア政策を推し進めるべきと考える。

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なお
本稿シリーズにおける基本姿勢と方針については

「日経社説を読む」日記 #0・稿

ご参照 願います。
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